ナースゆうかとメンタルのおはなし

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体験記9・精神科ナースが精神疾患になって痛感した【不意打ちが怖い】のリアルなおはなし

こんにちは。恩田ゆうかです。

この体験記では、うつ病・不安障害を発症した精神科ナースである私が、患者さんの立場になって初めて痛感できた様々な「テーマ」について、シリーズでお伝えしていきます。

同じ病気や似たような症状を抱えている方、またそういった方を支える側の方々にとって、この体験記がヒントとなり、何かの気づきに繋げていただけるものになればと考えています。

今回のテーマは「不意打ちが怖い」です。

音に対する過敏さ

Photo by MIKHAIL VASILYEV on Unsplash

病気になって困っていたことの一つに、感覚の過敏さがありました。

例えば、ちょっとした物音でも銃声のように鋭く感じ、びっくりするたびに悲鳴を上げていたのです。

風が雨戸を鳴らす音さえ怖くて、よく布団の中にもぐって隠れていました。

好きな人はいないと思いますが、緊急地震速報は断トツで体調を崩す音ですね。あのアラームが鳴ったときには、過呼吸を起こすほど猛烈な恐怖感に見舞われてしまいます。

こんな調子だったので、外出するなんて、とてもできたものではありませんでした。

通院のタイミングや薬を待つ時間、やむを得ず外に出たときは、常にビクビクしていました。特に逃げ出したくなるほど辛かったのは、赤ちゃんや子どもがぐずる声。体が勝手に警報音だと認識するのか、いてもたってもいられなくなる気分になるのです。

自分の行動にさえ動揺

Photo by MIKHAIL VASILYEV on Unsplash

集中力が落ちていると、自分自身が予期せぬ動きをしてしまうことがあります。

例えば、誤って食器を落としてしまったり、テレビのリモコンを間違って操作してしまったり。

こんな些細な行動でも、心臓が縮み上がるほどに動揺してしまうのです。自分でも「大したことないのに!」と呆れるほどですが、鼓動は高鳴り、息は上がってしまいます。肝を冷やす、あの感覚です。まるで体が過剰に反応しているようでした。

家族にお願いしたこと

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まず、インターホンの電源を切ってもらいました。ネット通販などの利用時は、夫がいるタイミングで受け取れるよう時間指定をしていました。

それから、子どもの声に過敏に反応してしまう傾向があったので、保育園の送迎も夫に任せることにしました。他のママさんやパパさんのバタバタとした動きや元気のいい挨拶の声も、その当時はとてつもなく怖いと感じていたので、夫の協力は本当に助かりました。

にぎやかなテレビ番組は、私がいないタイミングで見てもらうなど工夫して楽しんでもらいました。エネルギッシュな人たちの言動に、エネルギーを持っていかれる感覚があったのです。特に大声で喋ったり、怒声を飛ばしたりするような番組は、怖くて耐えられなかったです。

こういった細かいことばかりですが、減らすことのできる刺激は極力減らすように協力してもらい、それによって家の中では安心して過ごせるようになっていきました。

家族も、私の苦手な刺激について理解してくれるようになり、とてもありがたかったです。

ゆうかのワンポイント

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心身ともに休むためには、まず安心できる環境づくりが必要です。音などの刺激はなるべく減らしましょう。

あまり想像しにくいかもしれませんが、生活音ひとつでも、ものすごくダメージを受けてしまうということを、周囲の方にはご理解いただけるとありがたく思います。

この状態がいつまでも続くわけではないので、あまり心配しなくても大丈夫です。

いつの間にか、少しずつまた元の生活に戻っていけますよ。