ナースゆうかとメンタルのおはなし

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体験記2・精神科ナースが精神疾患になって痛感した【不調とストレス】のリアルなおはなし

こんにちは、恩田ゆうかです。

この体験記では、うつ病・不安障害を発症した精神科ナースである私が、患者さんの立場になって初めて痛感できた様々な「テーマ」について、シリーズでお伝えしていきます。

同じ病気や似たような症状を抱えている方、またそういった方を支える側の方々にとって、この体験記がヒントとなり、何かの気づきに繋げていただけるものになればと考えています。

今回のテーマは「不調とストレス」です。 


その後も治らない様々な不調

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

胃潰瘍のあと、仕事復帰してからは、休んでいた分を取り戻すかのように、必死で仕事に向き合いました。 フルタイムで働いて、退勤後に娘を保育園に迎えに行き、帰ってから家事をこなす日々。

忙しくて大変だったけれど、毎日が幸せでした。

しかし、それに反するように、どんどんと体はいうことをきかなくなっていったのです

朝起きるたびに蓄積されていき、一日中持続する強い疲労感。
激しい頭痛。
めまい、ふらつき。
動悸、息切れ。
毎晩のように見る悪夢。
吐き気、食欲不振……

多種多様な不調に悩まされ、病院へ。諸々の検査を受けましたが、結果はすべて異常なし。

心身は、疲弊していく一方でした。

重なるストレス

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

幸せな毎日だったとはいえ、全くストレスを感じていなかったわけではありません。

職場内では、上司のやり方を巡って派閥のようなものができていて、退職するスタッフが続出していました。 もともと、人のマイナスな感情の動きに過敏な私にとって、この頃の職場の空気感はとても息苦しかったです。

プライベートでは、娘の面会交流のために、離婚した元夫とは連絡を取り続けなくてはならず、これも大きな負担でした。それでも、離婚したのは親の都合。子どもが望む限りは、継続的に面会をさせてあげようと決めていました。


元夫との関係は非常に険悪で、離婚前後は実家・友人も交えてしまい、かなり揉めました。この頃の記憶はトラウマに近いものがあるのですが、面会交流のたびに、その記憶がフラッシュバックしてくるのです。


いつも心から血をダラダラと流しているような感覚でした。


これらに加えて、だんだん疲弊していく自分の心と体。
次第に余裕がなくなっていきました。

気がついたとき、そこにいたのは胃潰瘍だった頃のように、ネガティブ思考にとらわれた自分。

「妻としても、母としてもうまくやれない」という思いは風船のように大きく膨らんでいき、次第にこれまで生きてきた自分の人生さえも否定的に考えるようになっていったのです。 

魔法の言葉

Photo by nine koepfer on Unsplash

心身ともに疲弊してはいましたし、パフォーマンスは下がっていたかもしれませんが、生活を回すことに支障はきたしていませんでした。家事も育児も仕事も、どれにも穴を開けることはなかったですし、穴を開けないために躍起になっていたのだと思います

ネガティブな思いは外に出さないように、いつも笑顔でいたつもりでした。
それでも、溢れ出てしまっていたのでしょう。

上司や同僚、夫や娘が心配してくれているのは分かっていました。そんな優しい周囲の人たちに、要らぬ心配はかけたくないと、いつも「大丈夫」と笑っていました。

「大丈夫」という言葉は、私にとって魔法の言葉。 笑いながら「大丈夫」と答えると、本当に大丈夫だと思えてくるのです。

しかし、この言葉は諸刃の剣。 
無理をして使い続けたその後には、大きな代償を払わなくてはならないことに、このときの私はまだ気が付いていませんでした。

ゆうかのワンポイント

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もし「大丈夫」を多用している人が周りにいたら、その人はもうすでに大丈夫じゃないのかも。

私の場合、大丈夫と答えていたのには2つの理由がありました。

一つは、先述の通り、相手に心配をかけさせたくなかったから。
そして二つ目は、うまく説明できるほど、頭が回っていなかったから。

ですから、「大丈夫?」と聞かれれば、つい反射的に「大丈夫!」と答えてしまいがちだったのです。

少し肩の力を抜いて、このあたりでコーヒーブレイクしませんか?

5分だけでもいいんです。誰かに向かって言うように、自分自身に向かって「今日も大変だったね」という気持ちで心と向き合う時間を作ってみると、無意識に流していた感情や思いに気付くことがあります。

きっと自覚していた以上に、自分が頑張っていること、疲れていることを実感するはずですよ。


いつもいつも、お疲れさまです。
あなたのその頑張り、見ている人がちゃんといますからね。


体験記3に続きます。